サーカス研究の熱量—「桑野塾×サーカス学ゼミ」に行ってきた。2018/2/3

2ヶ月に1回ペースでの開催される大島幹雄さん(お世話になっておりますm(_ _)m)主催「サーカス学研究会」と、早稲田大学教授でロシア文化学者である桑野隆さん主催の桑野塾の合同ゼミに参加するため、早稲田大学に行ってきました。

大隈重信像

早稲田大学と言えば、大隈重信先生。

桑野塾×サーカス学ゼミ

本日の発表は、以下の2つ。

  1. 「〈サーカス学〉のひとつの試み」桑野 隆
  2. 【特別上映】秘蔵サーカスドキュメンタリー映画(解説:上島敏昭+大島幹雄

ロシアのサーカスにフォーカスが当てられました。

オリガ・ブレニナ=ペトロヴァ「文化空間のなかのサーカス」2014

桑野先生の発表は、オリガ・ブレニナ=ペトロヴァ著「文化空間のなかのサーカス」(2014)の紹介。この本は、桑野先生の手により翻訳され、近いうちに出版されるとのこと。

「サーカス」という現象を、文学、映画、美術など、様々な領域にまたがり分析、考察している本だそうです。例示されている具体的な作品も豊富で、それらを追うだけでも、かなり楽しそう。

うん、読みたい!

しかし、金額はそれなりに張りそう…とのことです…けど、やっぱり手に置いておきたいよね…読みたいよね。

ちなみに、桑野先生が翻訳したサーカス関連の本だと、「サーカス—起源・発展・展望」(エヴゲニイ・クズネツォフ著 桑野隆訳 ありな書房 2006、原書は1931年刊行)があります。ロシアサーカスがどんなものであったか、どんな演目があったのか。それを知ることができると共に、桑野先生の巻末の解題も含めて「サーカスとは」という論考が溢れていて、とても面白い本です。(しかし、やはり値が張る…)

1947年撮影ドキュメンタリー映画

続いては、大島幹雄さんと上島敏昭さんによる1947年撮影(?)のドキュメンタリーフィルムの上映及び解説。

このフィルムは、ヤフオクにて上島敏昭さんが落札した16ミリフィルム。得体の知れないもの(笑)だったけれども、落札したのを、すったもんだありつつ、観れる形にしてこぎつけた特別上映会!

ここに映されていたのは、1947年(…ということにフィルム上ではなっているけれど、真偽は要検証…とのこと)のロシアサーカスの映像。これに、ロシアサーカスの専門家である大島幹雄さんの解説が加わり、ものすごく興味ふかい上映会になりました。

何より記録されている芸の数々がすごいこと!

大島幹雄さんの話によると、1960年くらいまでのロシアのサーカス芸というのは、今から見ても、とてつもないレベルだそう。今その時のレベル芸は、見れない。

確かにすごくて、一つの芸が終わる度に、拍手をしたくなりました、私は。

1947年ロシアのサーカス映像上映

熊のショー、かわいい。すごい。

こういう映像が広く観てもらえるといいな、と思います。いろんな意味で。

この映像は、今の所、すぐには見れませんが、ロシアサーカスについては、大島幹雄さんの次の2冊がオススメ。


先の桑野先生の訳書と合わせると、ロシアサーカスについて、多くを知ることができるでしょう。

サーカス学研究会

こんな感じのゼミ(今回はスペシャル版でしたが)を、大島幹雄さんの主催で2ヶ月に一度のペースで開催しています。次回は、3月23日の予定。「サーカス」というものに(どんな角度ででも)興味がある方は、私でも大丈夫ですので、お気軽にお問い合わせください。

サーカス学を含め、大島幹雄さんの最新情報はこちら

「やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」アンジェラ・ダックワース 著

何かに取り組む時、目標を達成するには何が必要か。

成功するのに必要なのは「才能」ではない。
努力—やり抜く力である。

…と言うと、
まぁ、そうだよね
と思うところもあるかと思います。

しかし、その「やり抜く力」を伸ばせるとしたら…
本書では、そのための方法が書かれています。

  • 上達をしたいひと
  • プロジェクト等を成功させたいひと
  • 指導する立場にあるひと

にはとても有益な本であると思いました。

とりわけ、

  • PART2「やり抜く力」を内側から伸ばす
  • PART3「やり抜く力」を外側から伸ばす

の2パートは必読。

PART2は、日々技術習得や目標達成に励むひとに参考になるでしょう。
なお、本書でも取り上げられている「意図的な練習」の詳細に関しては、
成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
を合わせて読むと、より効果的です。


関連ブログ記事:「上達を実現したい方必読! 「成功する練習の法則」ダグ・レモフ エリカ・ウールウェイ ケイティ・イェッツイ

PART3は主に、

  • 指導をする立場のひと
  • リーダーシップを取る立場のひと
  • 子育て中のひと

にとって示唆に富んだ内容になっていると感じました。

もちろん、この本を読めば、すぐに何かが達成できる!という本ではありません。
しかし、「達成」に至る考え方を知り、実践することは達成への近道であることは間違いありません。

…って、実践するのが難しいんだよ!
と思うひとこそ、読んでみて、思いめぐらせることが、「達成」への第一歩になるかなと…と書きながら、私自身、自分を振り返り、一歩を踏み出そうと思っています。

「ひらく美術: 地域と人間のつながりを取り戻す」北川フラム

アートディレクターとして、美術をもって土地の文化を活かして行く活動を積み重ねる北川フラム氏。その活動を自ら開示して、美術でコミュニティを築くことの実際を垣間見せてくれるのが本書です。

先日読んだ「都市の舞台俳優たち」が、都市で表現に携わるひとたちの記録であったのに対し、都市部でない土地を舞台での、芸術とコミュニティの在り方が書かれています。タイミングよく、ふたつを対比して読めて、興味深かったです。

個人的な話になりますが、7,8年前になりますか、本書の主な舞台となる十日町の一集落の祭りに呼ばれて、ショーをしたことがあります。

ショーが終わると、男衆が集まり、境内で大きな輪をつくり座り、酒を酌み交わします。若いひとからお年寄りまでが、入り混じり、その中で祭りの運営に携わる若者への労いと期待が伝えられていました。その輪に入れてもらえた経験は、同様なコミュニティを持たない私には、とても新鮮で、好ましいものに思えました。

…というようなことを、土地の風景とともに思い出しつつ、読みました。

 土地に寄り添い、土地とともに「美術」を通してコミュニティを築き、土地の文化を活かす。もちろん、そこには数々の軋轢や事務があり、簡単な言葉で表せるほど綺麗な世界がある訳ではない(だろうと推察する)のですが、、、そこも含めて、率直に語られるエピソードに、とても励まされました。

それは、「深川美楽市」という地域のイベントに個人的に深く関わっている、ということは、もちろん、ありますが。

芸能が、地域とともに生きて行けたら、と切に思います。

大道芸の分野で言えば、koen企画さんが継続して開催している「地域で活きるパフォーマーの話」シリーズ併せて読むと、また違った視点が得られるかもしれません。過去の開催分が丁寧にレポートされています。>「地域で活きるパフォーマーの話

地域の中でどのように活動して行くのか。そこに興味がある方は、本書を読むと得るものが多くあるのではないかと思います。