アフター日本大道芸フェスティバル

こんにちは。
ハードパンチャーしんのすけ @shinnosuke_hp です。

「大道芸」への思いが詰まった二日間でした。
日本大道芸フェスティバル(2020/7/11-12 @あいち健康の森公園)。

  • 来場者の皆様(そして、来場できなかったけれども応援してくれた皆様、クラウドファウンディングを支援してくれた皆様)
  • 主催・運営
  • スタッフ
  • パフォーマー

それぞれの思いが交わり合ってできた時間は、久しぶりにパフォーマンスができたこと以上に、「大道芸」が含んでいるものの大きさ、重さを感じるものとなりました。

「奇跡」と言う言葉を軽々しく使うのは好きではないのですが、梅雨が続き連日雨が降る中、この開催期間中、初日の午前中を除けば雨に降られることなく過ごせたのは、皆の気持ちが天に伝わったのかな、と思ってしまいます。

「思い」と言っても、思っているだけではもちろん何も起きません。
今回、我々パフォーマーがパフォーマンスができた背景にたくさんの方の様々な形による尽力がありました。

それら全てに感謝します。
本当にありがとうございました。

今回、日本大道芸フェスティバルに出演させていただき、この状況下で大道芸の場をつくる、ということについて感じることが多かったので、そのことについて書き残しておこうと思います。長いですが、お付き合いいただけたら幸いです。

「新しい大道芸」の形

政府の方針に従いつつ開催された日本大道芸フェスティバル。
…とは言え、開催直前あたりから感染者数は増大し(特に東京)、緊張感漂う状況下での実施となりました。

具体的なコロナウイルス対策については、公式サイトに記載されていますので、そちらをご覧ください。>>日本大道芸フェスティバル 新型コロナウイルス対策

これを読むとわかるように、考えうる限り最大の対策の下、日本大道芸フェスティバルは開催されました。

大雑把ですが、一応まとめておくと

  • 来場者・出演者・スタッフの健康状態チェック(受付では、非接触型の体温測定が行われ、またアルコール消毒ができるように各所に設置されていました。)
  • 来場者の管理(受付を設け、来場者情報をチェック。来場者にはリストバンドを渡し、目印とすると共に、来場人数が過多とならないように把握。)
  • メイン会場と離れたポイントでは、別に受付を設け、大道芸観覧エリアを一般エリアと区分け。
  • 演技エリアと観覧エリアを分離。(演技エリアから2メートル程度離れたところが観覧最前列。)
  • 観覧エリアは密とならないように、マーカーで観覧位置を指定。
  • マスク着用の徹底。
  • 声援の禁止。
  • 握手、記念撮影、差し入れ禁止。
  • 客あげ 原則禁止。
  • …など

大雑把と言いつつ、項目を書き連ねるだけでもそれなりの量になりますね。
思慮に思慮を重ねてできたルールなのだと思います。
開催前からこれだけきちんとルールを明確にしてくれたおかげで、私は出演にあたり安心感を覚え、かつ、身が引き締まりました。

とは言え、実際に開催してみないとわからないこともあります。
というよりも、「新しい大道芸の形」です。
戸惑いがない訳ありません。

それは、出演者にとっても、観客にとっても。

気をつけようと思っていても、つい従来の形や習慣に沿って動いてしまう瞬間というのは、ありました。

やはり、まだ「新しい大道芸」に慣れない。

芸人は、久しぶりのショーに加えて、慣れない環境に戸惑いを覚えつつ毎回試行錯誤。
…などと、まるで他人事のように書いていますが、もちろん、私も戸惑いました。というか、戸惑いまくりです。

慣れてきたかな、という頃に、フェスティバルが終わってしまったので、
もっと演らせておくれよ!
と思ったくらいです。

観客の皆さんも、久しぶりの大道芸に浮き足立つところもあったのかな、とも思いますし、初日の昼頃までは雨もあり、観覧環境が悪く、密を回避するのが難しかったろうと思います(そんな中でも見てくれた皆様、ありがとうございます)。

けれども、二日目になると、アナウンスしなくても多くの人が観覧マナーを守ってくださり、これからの大道芸を思うと、心強く思いました。
みんな、大道芸が好きで、モラルあるひとたちだ。
大道芸を復活させたい!そんな気持ちが表れた時間でした。

「新しい大道芸」に必要になる「安心」

終了後に発表された主催者の言葉には、主催者として会場の安全・安心をつくれなかったことを認めつつ、イベントへと向けた真摯な思いが溢れていました。

>>日本大道芸フェスティバルを終えて

コロナ禍において、安心、安全に大道芸フェスを運営する

そうなんですよね…

安全であることは、もちろん、前提なのですが
安心
が、これからの大道芸に求められることです。

コロナウイルス感染拡大に寄与しない安全対策を講じる。そして、実際に拡大させない。その強い決意が必要で、それなしには安心は生まれないでしょうし、安心を生むには、多分、安全をつくる以上に大変なことなのだろうと感じました。

私自身、深川美楽市や亀戸大道芸と言った地域イベントをつくっているので、とても心に刺さる主催者の言葉でした。

さらに言うと、
大道芸は、大道芸に携わるひとたちや大道芸好きなひとたちだけのものではなく、社会・地域の中で生きているものです。

だから、大道芸が開催される土地で生活するひとたちにとって、
安心
であるものでないといけない。

今回、コロナウイルスで、より強い管理が求められるようになった訳ですが、もともと大道芸は、周囲への配慮をした上で実施されねばなりません。

大音量を流したり
通行者に迷惑をかけたり
で、大道芸の場所が潰れた、という話は度々聞くことです。

コロナウイルス下の今、大道芸は、いっそう強く周囲が安心する形が求められています。

地域のひとにとっても安心なものであること。

安心は、信頼から生み出されます。
そして、信頼は、積み重ねた信用と未来も大丈夫という確信から生まれます。

そのような観点からすると、
今回の日本大道芸フェスティバルは、
手探りの1日目を踏まえ
よりしっかりとした安全を確保するべく対策が打たれた2日目へと歩を進めましたように、感じました。

運営やスタッフの皆さんの動きが、とてもしっかりとしていて、パフォーマーとして、私は本当に安心してショーができました。
パフォーマーを、観客の皆さんを、そして大道芸を支えてくれてたことに感謝してもしきれません。

そのように当事者が感じる安心が、他のひとにも伝わり、理解が得られるように。

これからもコロナウイルス下の大道芸は、情勢により最善の形を変えながら、作って行かねばならないでしょう。
その時に、今回の日本大道芸フェスティバルに流れていた志や姿勢こそが、生き続けて欲しいな、と願います。

その空気を、気持ちを、志を肌で感じられたことが、私にとって何よりも貴重な体験でした。

これからの大道芸に必要なのは
安心の確立。

安心や信頼は、積み重ねたもの、積み重ねの過程で発せられるものから生まれます。
そうなると、一つのイベントの話ではなく、大道芸関わるすべての問題です。安心の構築に向けて、情報と思いを共有しながらみんなで大道芸をつくって行かねばですね。

私は、日本大道芸フェスティバルで感じたことを活かして、当分続くであろうコロナウイルス下の大道芸で、地域への安心を積み重ねる歩みを進めて行きたく思いました。歩みを進めよう。歩みを進めませんか。

日本大道芸フェスティバルから見えたもの

大道芸は死なない。
大道芸を思う気持ちが、これだけあるのだから。
大道芸の場をつくるひとたちにも
大道芸を見るひとたちにも
大道芸を演じる、我々パフォーマーにも。

問題や課題はまだまだ色々あるでしょう。
ただそれらが見えたからには、乗り越えられる。

いろんなことが可視化された日本大道芸フェスティバル以降は、「新しい大道芸」の道が拓けています。

そう思います。


それにしても、コロナウイルスというのはままならないですね…
日本大道芸フェスティバルが開催から1週間しか経っていないのに、全く別世界のように感じる。
はやく収束しますように。